新東京狂想曲
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新東京狂想曲

 

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4月3日公開の映画「半分の月がのぼる空」に出演する池松壮亮と忽那汐里が、東京ヤクルトスワローズ対中日ドラゴンズ戦で始球式を務めた。高校まで野球部だったという池松が構えるキャッチャーミットにめがけて投球した忽那は、「心臓バクバクだったけど、何とか届いてよかった」とひと安心の表情。作品中では恋人同士を演じる2人だが、忽那の印象を聞かれた池松は、「知れば知るほどいっぱい魅力を持っている子。(映画では)ポッキーガールが日本をキュンキュンさせてくれると思う」と話していた。
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渋谷、午後六時。スクランブル交差点を渡る人々の波に、僕はいつも少しだけ遅れていた。

その日、駅前の大型ビジョンが突然消えた。広告もニュースも、街の光も、すべて真っ黒になった。

信号機だけが青く光っている。

誰かが口笛を吹いた。すると、向かいのビルからサックスの音が聞こえた。地下のライブハウスで演奏していたらしい。今度は歩道橋の上で、若い女の子が小さな太鼓を叩き始めた。

街のあちこちから、音が集まってくる。

タクシーのクラクション。自転車のベル。地下鉄の走る音。誰かの笑い声。

気がつくと、交差点は巨大な楽団になっていた。

僕の隣にいた男が、肩を揺らして笑った。

「東京って、こんなに音楽的だったんですね」

やがてビジョンが復旧し、街はいつもの広告とニュースに戻った。人々は何事もなかったように歩き始める。

けれど、僕の耳にはまだ、さっきのサックスが響いていた。

渋谷の裏通りへ曲がると、小さな喫茶店の窓に「今夜、即興演奏あります」と書かれた紙が貼ってあった。

僕はドアを開けた。

新しい東京は、いつだって少し騒がしくて、少しだけ自由だった。

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